人材エージェントを退職しデジタルマーケ業界に入って気づいたHR業界のポテンシャル
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
3年半勤めた総合人材サービス会社を退職し、デジタルマーケティング業界の会社に転職。
主にネット専業の広告代理事業に従事したのだが、衝撃を受けた。
その前に簡単な自己紹介をしておくと、京都生まれ京都育ちの29歳。
スラムダンク再放送世代?で純粋にかっこいいと思い、小学3年生から始めたバスケを今でもやっている。
あまり大きな声で言いたくはないのだが…高校3年の最後の大会で全国優勝をした。
卒業年度は2011年。
リーマンショック後ということもあり、大学内定率は50%弱のとき。
法学部だったので、ミーハーな自分としてはカッコよさそうという薄っぺらい理由から弁護士を目指していた。(気がしていただけかも)
ただ、折角なので就活をしてみようと4回生の7月から就活を開始するという、
他の学生からすると本当になめていたと思う。
運良く複数の業界から内定をいただき、
人材育成・教育を目的とする研修とコンサルティングを事業の柱とする中小企業に就職を決めた。
営業として対峙するのは中小企業の社長や役員の方がほとんど。
「営業で一番になる」ということと「経営を学びたい」という思いで営業、経営に関する本を毎月30冊読むという目標を掲げて読み漁った。(Amazonの購入履歴を時々読み返すが、本当に手当たり次第でなんの脈絡もない…)
最初の目標である「営業で一番になる」という目標は達成できたものの、
「経営を学びたい」=「経営とはなんぞや?」を解明するにはもっと広い視点で物事を見、知見を身につけないといけないということを漠然ながら思っていた。
また、お客さんから人材育成・教育以外の経営上の悩みや課題をお聞きする中で、
具体的なアドバイスや事例、体験に基づいた内容を伝えることができない自分にももどかしさを感じていた。
さらに中小企業向けの人材育成・教育サービスという領域は、
それぞれのお客さんの会社が掲げる事業目標やビジョン、戦略等を具現化していく上で、経営資源である「ヒト」の部分をどう補いどう強化するか?という問いに対するひとつの解でしかない。
例えば新規事業や新製品開発を想像してみよう。
大企業であれば、既にその事業を展開している会社をM&Aしたり、
事業の役員陣や製品開発責任者をヘッドハントや採用をしたり、
既存事業から異動をし、新しい事業に必要なスキルや知識を教育したり
複数の選択肢から意思決定していくわけだが、
中小企業にはM&Aするお金もないし、
採用するための高額なfee(これもお金)を用意することもできないし、
採用ノウハウもない。
結果的に「今いる既存社員の教育をする」ことしか選択し得ないという消去法的な考えで人材育成や教育をするという意思決定しかできていないことに少しずつ気づき始めた。
実際に、「採用」についての悩みを聞くことが大変に多かったことから、
熱い想いを持つ中小企業に「採用」がもっと広く安く利用ができる状態になり、
一方で求職者サイドも知名度だけで選ぶ大手企業ではなく、中小企業に目が向くような状態になればいいと思っていた。
そんなこんなで総合人材サービス会社(いわゆる人材エージェント)に転職をした。
お客さんの『採用支援』をミッションに、リクルーティングアドバイザーとしてIT業界、電機、メカ、ケミカル業界(メーカー)を担当した。
採用支援100%を目指し、どんな会社でも採用ができるよう、
ノウハウや考え、採用が成功するための施策と結果などを書き溜め、教科書をつくったりもした。
エージェントのサービスである人材紹介、求人広告、ダイレクトリクルーティング、リファラル、転職フェアなどの採用イベント、パンフレットなどの採用ツールなどなど
採用に関するサービスは基本的になんでも提案できたし、組み合わせて営業できた。(まぁ偏りはあるが…)
採用支援というゴールがある中、
いかに採用が成功するための土壌を整えるかを常に考えていた。
して考えると非常にわかりやすい。
・母集団形成(対象者をたくさん集める)→応募率を上げて応募数の総数を上げる
・獲得(内定受諾してもらう)→内定受諾率を上げるor辞退率を下げる
競合ひしめく中、このふたつのポイントをどんな施策やノウハウで強化し、
勝ち得ていくか、そのサポートをできるかにかかっている。
例えば、母集団形成においての施策で重要な求人票の書き方や訴求内容。
これをテコ入れするだけでも応募率も変わってくるし、競合よりも優先して選考に進んでいただけるようになったりする。
獲得においても採用ツールをもとに口説いたり、面談回数を増やし企業と候補者の接点を増やすだけでも内定受諾率は変わってくる。
そこを常に考え続けていくだけでも採用支援数は飛躍的に上がるし、
その企業ならではのユニークな施策を形にしていくと採用ブランドにつながったり、
独自の勝ちパターンができてきたりする。
採用は結局のところマーケティングだなぁとつくづく思う。
①募集する求職者のペルソナを考える
②彼らの志向性や重要視するポイントを考える
③彼ら起点からSTPを考える
④彼ら視点から訴求すべきポイント、訴求内容を考える
これはエージェントにいても、広告代理店にいても一緒。
ここの知見をもっと身につけたくてデジタルマーケの業界に転職をした。
通常、広告代理店で採用系の案件に携わるということは、
エージェントの人材紹介サービスの登録者の数をいかに安いCPAでCVさせるかという案件が多い。
たとえば「エンジニアの登録を増やしたい」や「20代の若手の登録を増やしたい」などの獲得系の案件だ。
あとは「IT求人が強い!」などのプロモーション系の案件。
僕は、エージェント向けの上記のようなノウハウや事例をもとに、
事業会社の採用に生かせるようにカスタマイズして導入していくことを決めた。
もちろん業界内では恐らく誰もやられていないであろう領域だ。
そこに先見性があったわけではなく、自分が唯一戦える領域が、
採用やHR領域だっただけで結果的にという感じだ。
*上司からは毎日「それはマーケットがあるのか?売りになるのか?」と詰められた。
ある意味株主のような存在だと捉え、絶対形にすることを決めコミットした。
可能性を大きく感じたことを今でもよく覚えているが、それはなぜか?
前述した採用プロセスに沿って説明すると…
・母集団形成(対象者をたくさん集める)→応募率を上げて応募数の総数を上げる
・獲得(内定受諾してもらう)→内定受諾率を上げるor辞退率を下げる
まず「母集団」に関して。
エージェントはそれぞれ求人サイトを持ち、集客している。
広告やプロモーションを多用して、中づり広告やTVCM等・・・
そこに流入してきた転職顕在層、準顕在層をデータベース化し、その中から提案をしているのが通常の流れだ。
これはある意味、データベースの中から意向を醸成させ、お客さんに提案をしていくのである意味限定的である一方、ネットの場合はその制限がない。
必然的に数のボリュームやアプローチできる母数がそもそも圧倒的に多いこと。
また、Yahoo!やGoogleなどのポータル系の広告を使ってアプローチすることもできるし、エンジニア採用であればエンジニアが良く見るサイト内や過去の検索履歴(キーワードや閲覧サイトなど)から、エンジニアであろうと類推して広告を打つこともできる。
要はターゲットに合わせてアプローチ対象やチャネルを選択して無駄な広告費をかけずにアプローチできることが理にかなっており費用対効果が高いと感じたことだ。
「獲得」に関しては、これまた前述のマーケティング発想からのアプローチの多様さだ。
①募集する求職者のペルソナを考える
②彼らの志向性や重要視するポイントを考える
③彼ら起点からSTPを考える
④彼ら視点から訴求すべきポイント、訴求内容を考える
求人広告をご覧になられたことがある方は多いと思うが、
大きく求人広告の内容で違い(もちろん写真や文言は違うが)はあまり感じられず、
記載されている項目等は基本的にフォーマットが決まっている。
一方デジタルマーケティングにおいては、クリエイティブさは比較的自由で、
自社の魅力や訴求内容、写真の使い方などの汎用性は非常に高い。
ユニークな訴求をしている企業は目立つし、記憶にも残りやすい。
と簡単に書くと以上なのだが、
これを実際やってみると今までエージェントにいた僕としては目からうろこの状態が毎日続いた。
デジタルマーケの領域はこんなにも可能性があるのか!と日々思った。
これを使わない手はない。
特にまだまだ活用できている企業はなく、HRの専門性を生かしデジタルマーケを手段として活用できれば大きなマーケットになる!とひとりで妄想し興奮していた。
次回以降詳しくその結果や事例をお伝えできればと思うが、
長々となってしまったので今回はここで締めようと思う。